【滋賀県】屋外広告物条例改正、安全対策を強化 申請対象外の広告物にも点検義務

 滋賀県はこのほど屋外広告物条例およびこれに関連する規則の一部を改正。来年4月1日から新制度の運用を開始する。安全対策に関しては、許可不要、適用除外物件も含め、全ての広告物で定期的な安全点検が必要なことを明確に規定し、関係者の責任を明確化。さらに許可広告物の管理者要件を、県内に住所または事務所もしくは事業所を有する者に改めた。ただし一定規模以上の広告物は、有資格者の点検を要する。

 主な改正のポイントは、「責務規定と安全点検義務規定の新設」、「地域区分・基準の見直し」、「認定制度の新設」。
 「責務規定と安全点検義務規定の新設」は、広告物の安全対策を強化するもの。県、広告主、屋外広告業者(以下、製作会社)などの責務規定を新設。例えば広告主の責務は、広告物の表示および管理を適正に行うこと、委託する場合は、委託先により表示管理が適正に行われるように措置を講じること。製作会社の責務として、広告主と連携し、委託を受けた広告物の表示などを適正に行わなければならないなどとしている。
 また、許可の要否に関わらず、全ての広告物で定期的な安全点検が必要となることを明確にした安全点検義務規定を定めた。これにより許可不要、適用除外物件にも安全点検が義務付けられた。
 加えて許可広告物の管理者要件を、県内に住所または事務所もしくは事業所を有する者に改めた。ただし工作物確認申請対象など一定規模以上の広告物については、有資格者による安全点検が必要になる。
 「地域区分・基準の見直し」は、改正前の禁止地域、許可地域、無指定地域を第1種から第7種までの許可地域に再編。許可基準については、広告物の高さや面積を抑えるほか、色彩に彩度の規制を導入するなど全体的に強化・充実を図りつつ、市街地周辺は比較的緩やかに、歴史的地域は厳しめに制定した。
 「認定制度の新設」は、条件を満たした広告物について、知事の認定を受けられる制度を作成。指定公共的団体の届出制度を廃止し、営利団体でも可能な「公共的広告物」の認定制度を導入した。また、良好な景観形成を誘導するため、「優良広告物」の認定制度を新設。これら認定を受けた物件は、許可基準に適合することなく表示できる。3年に一度安全点検を実施し管理状況の報告をする必要があるが、継続認定(申請)およびこれに掛かる費用は発生しない。

詳細は新聞「総合報道」2022年12月5日号に掲載。

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