【電通】「2024年 日本の広告費」を発表。総広告費は過去最高の7兆6730億円、屋外広告は100.8%

 ㈱電通は2月27日、日本の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2024年 日本の広告費」を発表した。
 これによると昨年(1月~12月)の日本の総広告費は通年で7兆6730億円、前年比104.9%と、3年連続で過去最高を更新。好調な企業収益や消費意欲の活発化、世界的なイベント、インバウンド需要の高まりなどに支えられ、「インターネット広告費」を中心に「マスコミ4媒体広告」「プロモーションメディア広告費」の3つ全てのカテゴリーが成長した。
 「屋外広告」は2889億円、同100.8%。ラグジュアリーブランドや飲料、コンテンツ、人材系を中心に多くの業種で屋外広告が活用されたほか、インバウンド需要の高まりに伴い、関連業種での広告出稿も目立った。短期看板は人通りの多い繁華街に設置された大型ボードの需要が堅調で、屋外ビジョンは渋谷、新宿、表参道など都心部での需要が高まり、販売価格の値上げなどもあり成長した。ネットワーク型のデジタルOOH媒体は、位置情報などのデータを活用したプランニングと広告配信が可能な媒体として定着、多様な業種での活用が拡大した。
 「交通広告」は1598億円、同108.5%。鉄道は車内ビジョンや中づり、ステッカーなどの車内媒体が前年を上回った。駅媒体は大型媒体の新設や大型サイネージ、大型ボードなどジャック系媒体が前年に続き好調を維持。空港はインバウンド需要の高まりでデジタルサイネージを中心に前年を上回った。タクシーは一部媒体の値上げや新媒体メニューが売り上げに寄与したものの、BtoB企業による予算規模の縮小に伴い、前年を下回った。
 「イベント・展示・映像」ほかは4269億円、同111.0%。イベント領域はメーカーの販促イベントや周年イベントなどは活発化したものの、一部大規模イベントが開催されなかったこともあり、1655億円(前年比97.2%)と前年を下回った。展示領域はテーマパークへの大型投資が続き、専門店市場の海外アパレルブランドやホテル、企業PR施設、自動車関連店舗の新築・改装需要やインバウンドなどの拡大が追い風となり、需要が回復した。一方、複合商業施設や博物館・美術館などの文化施設は大型案件が減少した。映像関連はAIやDXなどの技術革新により、企業のマーケティング・プロモーション活動での動画映像の需要が高まった。シネアド(シネマ・アドバタイジング)は邦画アニメを中心に話題作が多く公開され、前年を上回った。

(図表は媒体別広告費=2022年~24年)

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