飛沫防止パーティション問題 廃棄からリサイクルへ

不要になった飛沫防止パーティション処理問題。廃棄ではなくリサイクルへ

 新型コロナウイルスの感染経路が飛沫感染であると判明してから、飲食店・商業施設・オフィス・交通機関、あらゆるロケーションに飛沫防止目的の透明なパーティションが設置されてきた。しかし同ウイルスの5類感染症移行が告知された今、コロナ前の日常に戻るべく、パーティションは次々と外されている。アクリルパネルをはじめ、様々な間仕切り製品を販売してきたディスプレイ業界は、この大量処分に対してどのように動いているか—。環境省も懸念するこの問題を掘り下げるため、今回はパーティションのリサイクル・再資源化に着手した企業や、それらを啓蒙する企業を取材した。

  新型コロナウイルス感染症の流行中、飛沫防止対策として、飲食店や商業施設で活躍した透明なパーティション。しかし今年5月8日、厚生労働省の発表による同ウイルスの5類感染症移行後は、不要になった大量のパーティションの処分・保管が各店舗を悩ませている。
 この問題について、環境省は4月28日、「不要になった新型コロナウイルス感染症対策の備品等(パーティション等)について」とのガイドラインを打ち、主な方針として下記の協力を求めた。

①リユース品として売却などにより有効活用する
②再資源化を実施できるものは再資源化を実施する
③熱回収できるものは可能な限り効率性の高い熱回収を行う。また、再資源化および熱回収の促進に資するよう適切に分別する
④前述の①〜③が実施できない場合には、適正に処分をする

 同省は、特に専門設備・知識を必要とする②〜④の対応時の参考情報として、同ページで問い合わせ先企業一覧を公開している。

 各分野の企業が再資源化やアップサイクルプランを打ち出しているが、看板製作・ディスプレイ業界にも積極的な対応を行う企業は増えている。事例として、パーティションの回収から再生プラスチック製造まで行う緑川化成工業㈱、ユーザーが使用済みパーティションを持ち込むことで材料費を抑えたリメイクプランを打つ㈱アイドウ、業界外からは、廃棄物処理事業を行う㈱大栄衛生関西学院大学がの行ったパーティション再資源化プロジェクトなどを取材した。

【詳しい取材内容は総合報道2023年8月5日号に掲載】

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