【三菱地所】休館中の三菱一号館美術館にロートレック作品をコラージュした仮囲い設置
三菱地所㈱は昨年8月から、東京・千代田区に同社が運営する「三菱一号館美術館」の修繕・休館期間に伴い、ロートレック作品がコラージュされた仮囲い装飾を公開している。
同館は昨年4月10日から、空調設備の入れ替えを中心とした修繕のため休館。休館中に壁面を覆う無機質な工事用仮囲いを憂い、これを鑑賞に耐えうる装飾に昇華するアイデアがスタッフから出た。仮囲い装飾は7月18日から26日にかけて徐々に実装されたが、メッシュ材への装飾は同社では初の試み。(※同社が持続して取り組んでいる鋼板部分への仮囲いアートは後述。また、姉妹誌POP EYE18年8月号でも、常盤橋再開発地のゴジラギャラリーなどを既報)
モチーフに選ばれた19世紀末に活躍した画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品は、同美術館のコレクションで、メインに据えた展覧会も開催した経歴がある。またその折にポスターなど宣伝物の制作を担当したデザイナー・服部一成氏に、今回のコラージュを依頼。
ロートレックの装飾が施された壁面は、三菱地所が有する丸の内パークビルディングに面した中庭側。緑豊かな庭園や喫茶店・休憩スペースが並ぶ憩いの場から、高さ14・4㍍、総面積約1250平方㍍、全28作品をコラージュした仮囲いアートが鑑賞できる。
「一時休館の報せは、鑑賞者だけでなく近隣の店舗や中庭利用者からも残念がられたが、美術館らしい企画を立てたことで、SNSでの反響、業界関係者からの反応も良好だった。同時期、帝国劇場で『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』を上映していたこともあり、同作品で有名なロートレックを見に足を運んでくれた人もいた」。(担当者)