【秋田エプソン】インクジェットプリンター用ヘッド製造の新棟竣工、将来的に生産能力を3倍へ拡大

 セイコーエプソン㈱のグループ会社である秋田エプソン㈱はこのほど、インクジェットプリンター用ヘッド(以下 プリントヘッド)の生産能力増強のため、総額約35億円の投資を行い、2022年11月から建設していた新棟を竣工した。これにより、秋田エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を将来的に現在の3倍程度に拡大する見込みだ。
 竣工した秋田エプソン新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)における「マイクロTFPプリントチップ」前工程の増産投資に対応するべく、インクジェットプリンターの基幹部品となるプリントヘッドの製造・組立の増産を図る。さらに、今後の「PrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッド」搭載のインクジェットプリンターの需要増加による製品ラインアップ強化やプリントヘッド外販の拡販対応も視野に入れ、将来的に設備の増設スペース確保も踏まえた建屋としているという。
 また、新棟は既存のプリントヘッド生産工場棟に併設して建てられ、部品から組立までをより効率的にできるようにした。加えて、生産設備に関しては、人生産性やスペース生産性のさらなる向上も織り込んだラインとなっている。具体的には、新たな設備設計で自社製ロボットを導入、最適なレイアウト構想を追求し、高効率生産ラインで生産性30%向上を目指した。

*PrecisionCoreマイクロTFPプリントヘッド:インクを吐出するノズルのひとつひとつを異なる制御で、数ピコリットル(1ピコリットル=1兆分の1リットル)という微細なインク滴を1 秒間に5 万発噴射できるインクジェットプリンターの画質と速度を決定する非常に重要な基幹部品

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