【リコージャパン】ユーザーを講師として招き、ラテックス機について忖度なしの講演開催〈PR〉
リコージャパン㈱は2月17日、「使っているからこそわかる! ラテックスプリンタのいいとこ・悪いとこ」と題したイベントを開催した。
当日は屋内外のサインディスプレイをはじめ、商業施設のディスプレイやイベントの展示物など、幅広い分野のビジュアルコミュニケーションに携わる㈱フジサワ・コーポレーションの代表取締役・澤田剛治氏を講師として招き、「RICOH Pro L5160e/L5130e」を導入した経緯や実際に使用する中で感じた長所・短所について講演した。
➀環境に優しいラテックスインク
冒頭、澤田氏は「当社がラテックス機を初めて導入したのが2008年頃、かれこれ10年以上に亘ってラテックス機を活用してきました。昨今SDGsをキーワードに持続可能な社会を作る為に企業がどういった製品・サービスを提供できるか、様々な場所で求められますが、当時私たちが注目したのも環境負荷が低いことと、生産性が高くなるという点でした」とラテックス機に関心を持った経緯を述べた。
ラテックスインクは非溶剤の水性インクで、低臭気かつ耐候性を備えているのが特長だ。従来の水性インクは耐候性の観点から屋外での利用に向いておらず、屋外広告のビジュアル出力には、耐候性と色の鮮やかさから溶剤インクが一般的だった。しかしラテックスインクは水性でありながら、耐候性を有していることから屋外広告におけるプリンタの選択肢の幅を広げたインクと言える。
また、溶剤インクは乾燥時間が必要で、十分に乾燥させないと特有の臭気を放つ。この臭気は顧客に製品(出力物)を納めた後も残ってしまうケースがあった。そのため、非溶剤かつ低臭気というのは環境面で大きなアドバンテージを得ることができるという。
「これまで屋外広告の出力に使用するインクは、主に溶剤インクを使用していましたが、匂いが強く、人体に良いものではありませんでした。当社の工場で働いているスタッフの健康にも少なからずリスクがありましたので、環境的な観点から脱溶剤を目指してラテックス機を導入しました」(澤田氏)
➁速乾による生産性とワークフローの改善
ラテックス機は生産性においても優れていると語る澤田氏。溶剤機の場合、インクの乾燥時間を確保する必要があるが、案件によっては時間が読みにくいケースもあり、十分な乾燥時間を設けず出荷してしまったという例もあった。その場合、溶剤が乾ききっていないためシートに出力した際、インク中に含まれる可塑剤(塩ビを柔らかくする成分)が影響し、出力した柄がシミとして壁に移ってしまうこともあったという。
それに対し、速乾性のあるラテックス機は乾燥時間が短いので、出力した直後にラミネートの工程に回すことが可能だ。乾燥スペースや設備を用意する必要もなく、次の工程に回せるので、顧客に納品するまでのリードタイムを短縮することができる。
「ワークフローの改善により、工場全体の生産性が向上し、工程の見直しを行ったことでコスト削減にもつながりました」(澤田氏)
➂ビジネスの幅を広げるラテックスプリンタ
㈱フジサワ・コーポレーションは、これまでインクジェットプリンターを粘着シートやターポリン、ポスターなどの出力に利用していたが、ラテックス機の導入によりファブリック、壁紙への出力など、内装ビジネスへと事業の幅を広げた。以下、事例を紹介していく。
▼㈱CAC Holdingsのミーティングスペースをボッチャコートとしても使える空間にデザイン。アクセントウォールやロールスクリーンも含めて製作した。
▼東京栄養専門学校の校舎新設にあたり、各階をゾーニングする壁面装飾を製作。「五大栄養素」からインスパイヤされたデザインを、オーダーメイド壁紙・デコクロスに出力で製作した。
▼ピッコロバンビーニこども歯科・矯正歯科は、同社デザイナーが全内装仕上げデザインを担当。内装空間の構築まで手掛けている。
「ラテックス機の導入前は、お客様に頂いたデータをそのまま印刷し納品・施工する出力分野が主な業務でした。現在は店舗の完成イメージをパースで顧客に説明し、デザインを壁紙に落としこむなどデザイン分野の業務を拡大。家具や什器の提案など、インテリアコーディネートに近いことも提案しています」(澤田氏)
④「RICOH Pro L5160e/L5130e」の導入メリット・デメリット
セミナーでは、㈱フジサワ・コーポレーションのオペレーター・秋元氏も登壇し、同機を使用する中で感じた長所・短所を紹介した。
【メリット】
➀鮮やかな発色:幅広い色域で色によっては、溶剤よりも鮮やかな色を出すことができる。
➁緻密な出力:小さい文字や細かな柄もはっきりと出力することができる。
➂寸法安定性が非常に高い:左右の色差が少ないため、分割出力した際も合わせやすい。
④消耗品の交換が容易:ノズル清掃カートリッジがヘッドの周りのインクを取り除くメンテナンスフリーの設計。カートリッジは差し込むだけなので、交換も容易となっている。
「乾燥の設定温度が高いラテックス機は、熱によってメディアの収縮が起こり、ズレが生じる可能性があるため、つなぎを必要とする大型媒体の案件には向いていませんでした。同機はその弱点を克服した寸法安定性が魅力といえます」(澤田氏)。
【デメリット】
➀印刷開始時、熱でメディアに皺が生じ、搬送時にこすれてしまうことがある。
➁印刷データをRIPサーバーに送り、プリント用のデータに変換した際、印刷が始まるまでの時間が長い。
⑤「RICOH Pro L5160e/L5130e」のデモンストレーション
《RICOH Pro L5130e 基本スペック》
インク種別/ラテックスインク
出力解像度/1200dpi
出力速度/46.7㎡/h(6pass)
インク色数/CMYK(導入時、ホワイト、オレンジ、グリーン選択)
外形寸法/W3300×D1000×H1500㎜
本体重量/395㎏
デモンストレーションではCMYKに加え、オレンジ・グリーンを搭載した6色機モデル「RICOH Pro L5130e」のスタガ配列のインクヘッドによる出力性能(標準モード25.0m²/h)と筐体の寸法安定性を披露。メディアのエントリーはプリンタ背面で、ピンチローラーで保持し平らなトッププレートでインクを着弾、ヒーターで乾燥後に巻き取るという非常にシンプルな設計となっている。
メディアはヒーターセクションで70~90度の熱に晒され伸縮が発生する。その際、過度なテンションを与えるとバラつきが起きやすいため、競合機で見受けられるテンションバーなど過度なトルクを掛けてメディアにテンションを掛ける機構を採用しないことで、高い寸法安定性を実現している。
▼1枚の絵を3分割で出力。左右の色差が少ないという点がユーザーから高評価を得ており、表現の難しいグレーも色差を抑えて出力することが可能だ。
「弊社では壁紙はもちろんのこと、石灰石を主原料とした環境配慮素材・LIMEXと組み合わせ使用している。他社のプリンタを使用していると、左右のバラつきが生じカットする際に手切りで無理やり合わせる必要がありましたが、同機はつなぎ目の色差がないので自動カットで切っても位置が合い、大幅に時間を短縮することができるようになりました」(秋元氏)。
さらに、オレンジとグリーンのラテックスインクを搭載しているので、4色プロセスの他社プリンタでは難しい色も鮮やかに表現することができるという。
⑥壁紙事業化のパッケージの提供について
最後にリコージャパン㈱のPP事業部IJ事業推進室IP推進グループリーダーの山下浩氏は、「ラテックスプリンタはプリント媒体を選ばない利点がある反面、ターゲットがぼやけてしまうので、当社では分かりやすくRICOH Pro L5160e/L5130eを壁紙プリンタとして推すことにしました。同機と壁紙メディア、壁紙施工業者の紹介、壁紙事業ノウハウ講習会がパックになった“ProL de 壁紙事業化パック”というパッケージを提供しています。ご興味ある方は最寄りの営業所までご連絡ください」と述べ、セミナーは終了した。
リコージャパンでは既存の印刷ビジネスに新たな商材を加えてビジネスを拡大したいと考えている印刷会社に向けて、なぜ印刷会社が壁紙なのか?どこにチャンスがあるのか?施工など印刷以外の部分はどう対応すればいいのか?そんな疑問にお応えする資料を配布している。ダウンロードはこちらから↓
https://printing.ricoh.co.jp/download/d00015.html?utm_source=np&utm_medium=display&utm_campaign=d00015
■問い合わせ:PP事業部IJ事業推進室IP推進グループ Mail:hiroshi_b_yamashita@jp.ricoh.com