2025年のOOH予測 事例から読み解く

 OOHとは、「Out of Home Media」の略で、看板、屋外広告、交通広告など、家の外で体験できる広告。これからのOOHはどうなるのでしょうか。2024年の掲出事例を振り返りながら、総合報道記者チーム「OOH撮影隊」が2025年を予測していきます!

 【さらに詳しい解説は「総合報道2025年2月5日号」をぜひご覧ください】
 ※当社X(旧Twitter)開設をともに結成。定期的に街を広告巡礼し、SNSで紹介している社内非公認組織

▼INDEX
①サイネージ化の波は交通広告から屋外広告へ
②注目のクリエイティブ 掲出中に大掛かりな変化
③今後のキーワード 「イマーシブ」「承認欲求」
OOHの傾向を街ごとに分析

 


 

 

①サイネージ化の波は交通広告から屋外広告へ
 引き続き交通広告ではサイネージ化が進行していますが、「交通機関で新規媒体を置きたい場所には置ききった感もある」という本音もちらほら。
 そこで人通りの多い駅周辺を中心に、大型サイネージが街の中へ進出しているという声もあります。
 しかし駅も負けていません。各駅でリニューアル、大規模再開発、駅ビル建設が進行。今後駅ナカにも注目される新たなメディアが生まれることが期待されます。

●渋谷センター街に新設された『渋谷センター街ヒットビジョン』Netflixが『イカゲーム』の広告を放映


●SHIBUYA109側の渋谷の縦型大型ビジョン「KEIO MIRARERU VISION 渋谷メガウォール」


●新宿駅南改札内の新宿BBBには乃木坂46のオーディション告知など話題性の高い広告が掲出

 


 

 

②注目のクリエイティブ 掲出中に大掛かりな変化
 これから特に注目したいクリエイティブは、掲出期間中にリアルな錆や水を使用するなど、化学変化やディスプレイ出現など大掛かりな仕掛けで広告を変化させ、最後まで注目される工夫を施したケース。
 例えば渋谷で展開されたコナミデジタルエンタテインメントの「サイレントヒル2」の広告は、経過日数に合わせ、表面の錆が変化し、ピラミッドヘッドが出現。人気によってはすぐになくなってしまうピールオフ広告と違い、徐々に変化を楽しめますね。
 また新宿駅に掲出されたキリンビールの「杜の香ジンソーダ 森のアクアリウム」は、本物の“水”を使って水槽を作製するというインパクトを演出しました。

●『SILENT HILL 2』の「毎日錆びていく」広告。主人公ジェイムスの視線の先に三角頭(ピラミッドヘッド)が出現

●通路に張り出した広告展開も可能な新宿駅メトロプロムナードに【杜の香ジンソーダ 森のアクアリウム】が登場

 


 

 

③今後のキーワード 「イマーシブ」「承認欲求」
 JR東日本が都内3駅を「イマーシブなメディア空間」とし、大型サイネージ群を設置したように、「イマーシブ」(没入感のある)を意識した広告が増えそうです。デジタル、アナログ問わず媒体や表現手法に定義がないので、広告主や施主がどのような狙いで空間作りをするのか自由度は高くなり、これから様々な事例が生まれることが期待されます。
 また、OOHが「承認欲求」を満たすためのものとして使用されている傾向にも注目。人気投票企画の発表や景品などにも、OOHで紹介されることを掲げるケースを見ます。本人が現地まで足を運び、広告を背景に撮影して、拡散。アプリや企画の宣伝をしながら、本人の自己肯定感も高められそう。

●JR新宿駅で岩手観光PR広告。壁面、床、天井のラッピングで没入感のある空間に


●TOPPANのデジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS VR THEATER。テーマパークのアトラクションのように浮遊感を伴う没入感を体感できます


●ライブ配信アプリ「17LIVE」 の広告展開。都市ごとにVライバーと顔出しライバーのクリエイティブを使い分けています

 


 

 

OOHの傾向を街ごとに分析
OOH撮影隊の目 街ごとに掲出されているOOHの傾向を紹介(あくまでOOH撮影の印象)

 


お知らせ

 新聞「総合報道」2月5日号ではこの記事の詳報を掲載。よろしければ併せてご覧ください。

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