【インタビュー】ミマキエンジニアリング・池田和明社長に聞く <PR>

ミマキ、池田和明

 コロナ禍により、大きな打撃を受けたサイン・ディスプレイ業界。インクジェット出力の仕事も大幅に減少する中、インクジェットプリンターを供給するメーカーにも、マーケット活性化に向けた戦略が求められている。今回はデジタルプリンティングのトップランナーであるミマキエンジニアリングの池田和明社長に、新型コロナの影響や今後の展望を聞いた。

―コロナ禍の影響と取り組みについて
 昨年は特に海外において非常にインパクトが大きかった。4 月から6 月にかけての欧米は、経済活動どころではなく、工場を止めるなどの措置を実施。結果として様々な点で国内のお客様にもご迷惑をお掛けした部分もあり、申し訳なく思っている。現在、欧米はコロナ前なみに経済活動が戻ってきているのに対し、それほど影響が大きくなかった国内では復活の兆しが見えず、大判出力市場の冷え込みを懸念している。
 国内の取り組みとしては、直接対面でお客様に会い辛い事から、“デジタル化”を推し進めた。ウェビナーやライブデモの実施、操作説明ムービー、用途提案の特設サイトを続々とアップし、オフィス・自宅にいながら気軽に当社情報に触れることができる。手探りで進めてきたが、地域を絞ったウェビナーに訴求効果が高いなど、手応えを掴んでいる。

―「Mimaki V10」ユーザーへの影響
 当社グループは2016 年度に策定した中長期ビジョン「M1000」において、売上高1000 億円の達成を目指し、技術・営業・生産の各戦略に取り組んできた。しかし、新型コロナウイルスの拡大に伴う世界的な景気の低迷を踏まえ、2025年度をゴールとした新中長期戦略「Mimaki V10」を策定・実行していく。売上高成長を追求するだけでなく、強靭な企業基盤を構築し、利益率を高めていくために、インクや在庫などあらゆる点で改善を図っていくが、開発への投資を抑えるつもりは一切ない。今後はさらにバラエティに富んだ製品を各市場向けに供給していく。あくまでその目的は、ユーザーであるサイン・ディスプレイ企業が「付加価値の高い仕事が取れる」製品の提案だ。

―市場投入した100 シリーズの意義
 様々な改革を行っていく第1弾として、当社が長年蓄積してきた技術をベースとしたインクジェットプリンターを開発し、溶剤・UV・昇華転写と各分野に投入した。コンセプトは「高機能なエントリーモデル」。同じエンジンの筐体を流用することで開発コストを抑えながら、今まで培ってきた画像コントロール技術をすべて盛り込んだ。新たな当社のスタンダードモデルとして自信を持って薦めたい。

―改めて、御社の強みとは
 様々なプリントヘッド、インクを扱う大判インクジェットプリンターにおいて、制御には非常に繊細な技術が必要。そのコントローラーを自社開発しているのが最大の強みと考えている。特許も数多く取得しており、光のコントロール、着弾したインクが綺麗に真円を描く技術、ヒーティング技術など様々。これに加え、前・後処理工程の事業を保有する優位性を活かし、一貫したトータルソリューションを最適な形で提供したい。その実現のため、IOT の推進も重点施策の一つとなる。また、何より創業時から重視するのはサポート面で、全国の拠点からお客様の仕事を止めることのないよう迅速な対応を徹底している。

―今後の展開をお聞かせ下さい
 「新しさと違い」を経営ビジョンに掲げ、今後もお客様に寄り添った製品を提供するイノベーター企業として、邁進していく。サイン・グラフィックス市場では、従来主流の有機溶剤インクから、環境負荷が低いUV 硬化型インクへの転換を促すべく、業界最多のUV プリンター特許技術を活用する。海外市場を視野に、エントリーからミドル・ハイエンド領域へのラインアップ展開も強化する予定だ。今後も、プリンターだけにこだわらず、業界全体が活性化するようなソリューションを続々と発表するので楽しみにして欲しい。
 依然としてコロナ禍は終わる気配を見せないが、抑圧された行楽・外食の反動が必ず来るはずだ。アフターコロナの店舗では、“ 集客” と同時に“ 安全性” を示すことがサインに求められるだろう。そこにフィットする製品・サービスを用意し、ダメージを受けたサイン・ディスプレイ業界の起爆剤としたい。

 

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